こんにちは、パーマです!
今回の漫画紹介は、菅野文さんの「誠のくに」です!
ひとくくりに戊辰戦争といっても、各地で戦闘がありました。
鳥羽・伏見の戦いは初戦なので有名ですが、他にも上野戦争であったり、最後の函館戦争だったり。
その中で、一番の激戦ともいわれる「会津戦争」をテーマにした作品です。
こんな方におすすめ
- 斎藤一ファン
- 京都の新選組は詳しいけれど、戊辰戦争後はそんなにという方
- 会津藩を通して武士を知りたい方
- 松平容保公が好きな方

1巻で完結するので、読みやすいです。
そして、本当の義とは何なのか。
日本人が忘れてしまったものを思い起こさせてくれる作品です!
ただ、正直なところ、「なぜ会津か?」といったあたりで一定程度の新選組の知識がないと、読んでも「?」な可能性があります。
もちろん、作中でわかるように描かれてはいますが、腑に落ちるには・・・
本作を読む前に、事前知識としてこちらをどうぞ
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目次
新選組をやさしく解説!幕末の時代背景も押さえよう!
新選組ファン歴30年の天然パーマが、新選組についてやさしくお伝えします。どうやって新選組は生まれたのか。その時の時代背景は?これからファンになる方向けです。
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「誠のくに」基本情報
作:菅野文
出版:花とゆめコミックス
既刊:1巻(完)
1巻で終わるので時間はかかりませんが、読み応えはしっかりあります!
「誠のくに」ってどんな漫画?
斉藤一の半生を追う!
斉藤一の新撰組入隊~会津戦争を経て明治までを追った作品です。
斉藤一の行動や心情の動きを描きながら、基本的な歴史を追っていくスタイルなので、ざっと新選組の知識もつくようになっています。
といいつつ実は、斎藤一は新選組時代のことをほとんど語っていません・・・。
なので、基本的には一般的に言われていること+フィクションですね。
しかし、それを見事にまとめつつ伏線回収もされていくので、読んでいて納得する仕上がりとなっています。
斉藤一については、こちらもどうぞ!
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【新選組隊士紹介】三番隊隊長・斎藤一【写真あり】
明治維新後も生きた幹部、斎藤一。アニメや漫画でも人気の隊士、その人物と生涯とは。新選組ファン歴30年のパーマが語ります!
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物語は一少年と会津の出会いから
幼いころから剣に非凡な才能を見せていた斉藤一。
しかし、物心ついたときから、「ここではない」と強烈に思うことがある少年で、常に居場所を求めていました。
無口な男だが、胸に熱い思いを秘めた一少年は、あるとき会津の道場に稽古にいきます。
そこで「会津に生まれたからには、常に鍛錬し、いずれ徳川に忠義を尽くす」という竹子や会津武士に「本当の侍」を見た一は、笑みを浮かべます。
追い求めた「自分の在るべき場所」
新選組に入隊し、侍たちと過ごしながらも、戊辰戦争によって別れていく・・・
最後に見つけた、斎藤一にとっての「在るべき場所」とは・・・?
誠のくに、とは?
斉藤一にとって、追い求めたのは真の侍の姿でした。
明治へと時代が変わる中で、侍は侍でなくなっていました。
維新志士でも乱暴を働くもの、押し借りをするもの、忠義とは程遠いものが増えていた時代です。
そんな時代に、愚直に天皇陛下や幕府に忠義を尽くした会津藩士や、そのお抱えである新選組は、斎藤一の追い求めた侍たちでした。
「真の侍たちと共に戦い、死にたい」
武士の時代が終わる中で、斎藤一は死に場所を求めていきます。
それを会津に見出し、死に場所を定めた一でしたが・・・。
史実でもそうですが、斎藤一は明治まで生き残ります。
最後に、彼がみた「誠のくに」とは何なのかー。
おすすめポイント
会津戦争を学べる!
会津戦争といえば、教科書でも出てきますね。
そう、白虎隊です!
しかし、教科書ではその事実だけで、なぜ会津においてそのようなことが起こったのか、その下地については知ることができません。
NHK大河「八重の桜」で有名になった「ならぬことは、ならぬものです」という会津藩「什の教え」。
人としてどうあるべきかを教えた会津の掟は、いま読んでも大切なことが書いてあります。
それを基礎とした会津と藩主である松平容保は、誰もやりたがらなかった京都守護職を受けます。
維新志士が暴れ治安が乱れる京都において、天子様(天皇陛下)と市井の人を守るという忠義に基づいた行動でした。
それなのに、戊辰戦争では賊軍と位置付けられてしまいます。
時代や明治政府に迎合することは忠義に劣るとして戦ったのが、会津戦争だったのです。
多くの藩が同盟をしながらも動かず日和見するなかで、会津は最後まで残り戦います。
「どうして、忠義を尽くして天子様を守ってきたのに、賊軍となってしまうのか・・・」そんな思いを抱きながら。
最終的に会津は降伏しますが、戦死した藩士の遺体を葬ることも許されない仕打ちも受けます。
しかし、戊辰戦争後も会津の名を高め残したのは、その忠義でした。
ちなみに、安倍首相が会津で街頭演説をしたときに、「先輩方がご迷惑をおかけしました」と陳謝したのは有名な話(ニュース記事)。
安倍首相は長州出身ですからね。
明治維新の裏側を知ることができる!
明治政府の会津に対する仕打ちは酷いものでした。
京都守護職として京都の治安維持と天皇陛下の警護を担っていた会津は、維新志士にとって憎悪の対象でした。
まあ、逆恨みですね。
警察を犯罪者が憎むということなので。
しかし、大政奉還が成り、徳川慶喜も東京へ逃れていきます。
そして、岩倉具視などの策略もあり新政府軍に「錦の御旗」が立ちます。
(錦の御旗は、本当にあったのかは諸説あり)
この瞬間に、京都と天子様を守ってきた会津は賊軍になってしまったのです・・・。
歴史は勝者のもの。
教科書だけ読むと、明治政府が正しく、幕府は古い体制で討ち滅ぼされて当然というように感じてしまいますが、歴史の裏にはそんなことがあったんですね!
その辺りも、この本はよく押さえてあります!
まとめ:会津藩士と斎藤一の義に胸を打たれる!
「忠義」というと古臭いように思えるかもしれません。
しかし、義理を果たすことは人として当然のことではありませんか?
それが特に戦後から急速に失われてしまったようにも思います。
日本人として大切なものは何か?
会津や新選組にはそれがあります。
そこに引き付けられ、ファンがいまも増えているのかもしれませんね。
そんな大切なことを感じさせてくれる「誠のくに」
おすすめです!!
おまけ:菅野文新選組3部作
作者の菅野文さんは、「乙男(オトメン)」で有名な漫画家さんですね!
そして、知られていない一面が、溢れる新選組愛!
そこから生まれたのが、菅野文新選組三部作!
もちろん全巻持っています!
またご紹介しますね!