書籍レビュー

戦後日本の歩みを漫画で。大宰相1巻~吉田茂の闘争~まとめ

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そもそも「大宰相」とは?戦後政治を学べる漫画だ!

作:さいとう・たかを 講談社
画像:講談社

コロナ禍のもと、お家で過ごすゴールデンウィーク。3日は憲法記念日でした。
ということで、改めて戦後日本の歩みを確認しようと思い、本棚から引っ張り出したのが、「大宰相」。漫画ですけどね。
そして、それなら3日から書けよっていう・・・。汗

さて、本作。原作は戸川猪佐武著「小説吉田学校」。これを「ゴルゴ13」などで有名な”さいとう・たかを”氏が描きます。
小説吉田学校も読んだのですが、如何せん市の図書館で借りて読んだもので手元には無くって・・・。

漫画とはいえ、さいとう先生の描く人物はそっくりでスッと入って行けますし、戦後政治のダイナミズムを感じることが出来ます。中高生はもとより、大学生や社会人の勉強にも良いと思います。
戦後って授業ではあまり触れないけれど、今の状況を理解するのに必要なことだと思うんですよね。

ちなみに、私天然パーマは政治学科というマイナー学科を出ており、当時から政治に興味はあったので登場人物の名前や顔もだいたい繋がるのですが、政治に興味なかった人が読むと大変かもしれません。
しかも、1冊がめっちゃ分厚い。

でも、めちゃくちゃ勉強になる!一般教養としてもそうだし、政治の世界の権謀術数は様々な場面で役立つ気がします!

諦めずに全巻読めば、戦後政治を語れるようになるし、昭和世代とも仲良くなれる!?
頑張ろう!

自身の備忘録的なところも含めて、これから最終巻までまとめていきたいと思いますので、とりあえずこちらで知識を得てもらっても良いかと思います。
そのため、重要な人物や事件については、wikiのリンクもしておきますね。

吉田茂の闘争

第一巻は吉田茂の闘争とあるように、吉田内閣が生まれ、講和へと進んでいく姿を描きます。第一部「戦後日本の幕開け」と第二部「吉田茂、総理就任」となっていて、時系列的には第二部が先なんですが、第一部でざっと大きな歴史の流れを押さえてから細かいところに行く感じですね。

吉田茂首相については、詳しくはwikiで。
麻生太郎衆議院議員のお爺ちゃんですね!葉巻とかはお爺さんリスペクトから?

第一部「戦後日本の幕開け」

10章から成る第一部は、昭和23年(1948)~昭和40年(1965)までを描きます。

昭和23年。昭和電工疑獄事件が起こり、民主・社会・国協3党連立芦田均内閣は総辞職。(昭電事件はG2の民政局を狙った陰謀との説がある)
民生局ケージスからは、次期首班について自由党からの指名は認めるが、総裁の吉田は超保守的だとして幹事長の山崎猛とするよう伝える。
吉田と反目する副幹事長の広川弘禅はこれ幸いと、中井川や星らと山崎首班に動く。


自由党総務会において山崎首班となる寸前、発言を求めた青年議員が!
これが当時1年生議員だった田中角栄でした。
角栄は、「総司令部(GHQ)が内政干渉をすることは有り得ないのではないか!」と主張。その発言に吉田茂も同意し、「民政局の希望であり、正式な指令ではない!このような内政干渉には断固戦う!」と息を吹き返す。
そして、吉田首班で行こうという採決と進む中、広川も裏切り吉田首班賛成に動き、総務会はまとまります。その後、国会でも首班指名を得て、第2次吉田内閣が発足。

しかし、吉田内閣は民政局の妨害もあり苦境にある。早期の解散を検討する中、官房長官である佐藤栄作に自身の忠実な藩屏を作りたいとの考えを示し、それに同意する佐藤に目ぼしい官僚へのスカウトを任せた。ここに、吉田学校が始まるのだ!
そうして行われた昭和24年の総選挙において、佐藤栄作・池田勇人前尾繁三郎らが初当選し、吉田体制は強固になっていく。

第3次吉田内閣で大蔵大臣の職についた池田は、対日講和の足掛かりを作るよう吉田から密命をうけ、秘書官の宮澤喜一とともにアメリカへ。
ドッジ公使に吉田の考えを伝え、池田は重責を果たす。ホッとする池田だったが、これは外交経験のない池田に対する吉田の教育的な面もあった。

時は流れ昭和39年。東京オリンピックの年ですね。
首相となり2期目を迎えていた池田は3期目を期す。一方で佐藤栄作も意欲を見せる。もともと池田首相誕生に協力した佐藤は、池田からの禅譲を信じていた。
河野一郎も池田3選にむけて佐藤を抑えにかかるが、結局は総裁選となる。
そして、池田は3選を果たすが、佐藤も多くの票を得て存在感を示した。

3選を果たした池田であったが、すぐに喉頭がんが発覚。総理辞任を発表する。それは東京オリンピックの開会式翌日だった。
総理のイスを狙う河野だが、池田は佐藤へ禅譲する。失意の中、河野は急逝。その翌月には池田もこの世を去るのだった。

ここで第1部は終了です。先に書きましたが、大きな流れを理解するパートといった感じでしたね。

第2部「吉田茂、総理就任」

第2部は吉田茂に焦点をあて、昭和20年(1945)~昭和24年(1949)の第3次吉田内閣発足までを描きます。

1945年4月1日。米軍は沖縄に上陸する。その数日後から吉田は終戦工作に動くが、憲兵に捉えられ投獄されてしまう。一ヶ月余り後に釈放されるが、その時にはドイツが降伏しており、戦況は悪化の一途を辿っていた。そして、広島・長崎への原爆投下、ソ連の参戦を経て日本はポツダム宣言を受諾。降伏したのだった。

戦後、首相となったのは東久邇宮稔彦。皇族内閣であった。吉田は請われて外相に就任する。
国体護持を念頭に戦後体制の構築を進める内閣であったが、ここで天皇陛下とマッカーサーが並んだ写真が新聞に掲載されるにあたって占領の苛烈さを知り、退陣。
吉田は幣原喜重郎を口説き、幣原内閣が誕生。吉田は引き続き外相となる。

ここで、当時の世相として、流行した「リンゴの唄」や闇市についても紹介されています。

さて、幣原内閣で課題となったのは憲法改正。明治憲法の改正は止む無しと考えていた幣原と吉田だが、天皇の在り方は国体護持の面からも重要だと思っていた。
そこで近衛文麿に意見を求めていた吉田だったが、近衛は戦犯となってしまい自殺する。その一方で、戦前に政治犯として捉えられていた徳田球一らが解放され日本共産党が組織されるなど新党結成が相次いだ。

翌昭和21年元旦に、天皇の人間宣言が発表され、マッカーサーも賛意を示したことから天皇の地位は守られることになった。
そして憲法制定作業は進むが、民政局から示された案は共産主義革命と言えるほどのものであった。マッカーサーの調整により、象徴天皇と戦力不保持を含めた総司令部案を元に日本国憲法の原案が作成され、3月6日に発表される。そして4月には総選挙が行われた。結果に関わらず総理の座に固執する幣原だが、他党からの圧力により総辞職する。

第一党となった自由党の総裁は鳩山一郎。しかし、大命を得る直前に公職追放に遭う。そして、吉田が請われて首相となり、ここに吉田内閣が誕生するのだった。
その臨時議会においては憲法について議論がなされた。GHQとの折衝により何とか形のできた憲法草案だったが、野党からは苛烈な批判も受ける。なお、ここで自衛権を求めて、全ての戦争の放棄を批判したのが共産党であった!(今と真逆で素直に驚き!まあ、共産党は様々な批判や闘争をしながら方向を変えてきた党でもあるんで)

紆余曲折を経たものの、新憲法は発布される。
目下、吉田内閣の課題は経済の立て直しであった。しかし強烈なインフレの中で労働攻勢が激しくなる。
社会党右派との連携を模索する吉田だが、大臣ポスト等の下交渉で決裂。
その後に行われた総選挙では社会党が第一党となる。過半数を持たない社会党は挙国一致内閣を目指すが、吉田自由党は左派を切ることのできない社会党とは協力しないとの姿勢を示す。結果、社会・民主・国協の連立による片山哲内閣が誕生する。史上初の社会党内閣である。しかし、片山内閣は内部崩壊、続く芦田内閣も昭和電工事件(第1部に出てきましたね)により倒れる。

そして、昭和24年の総選挙で圧勝した吉田が再登場するのである・・・。

権謀術数の人間ドラマ

第1巻から凄いボリュームになってしまいました・・・。
しかし、政治の世界って、本当に権謀術数渦巻く世界なんですね。以前に反目した人たちが協力したり、逆に仲間割れしたり。権力はそれほど魅力があるのでしょうか。

さて、ここから戦後の政治が始まります。占領下にあった日本の舵取りを行うことは難しかったことがよくわかりました。そしてGHQ内でも闘争があったんですね。

この当時、様々な人が公職追放にあっています。以前のイメージだと、パッと1回で「あなたまで追放!」という感じだったのですが、結構、アメリカ側が政治介入するために幅広にやっていたんだなぁというのが発見の一つでした。

重厚な内容ですが、アウトプットすることで自分にも落とし込みができました。
10巻までしっかり書きますね!

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原作1巻は↑コチラ

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小学校の頃から歴史もの、特に新選組にハマり、史跡を巡り歩いてきたアラフォーです。 読書も趣味で、得たスキルや情報のアウトプットの意味も含めて、当ブログを運営します。 そのほか、狩猟免許(1種&罠)も持っていたりします。 Twitterもやっていますので、よろしくお願いします!

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